共犯は複数で犯罪行為に及ぶことですが、途中でその中の誰かが離脱したとき
離脱後に残りの人たちで実行行為、結果と犯罪が成立したとき
その時離脱した人の罪はどうなるでしょうか。
まずもうその人は抜けた時点で集団の一因ではないので、罪には問われないように思えますが
これは時と場合によります。
では罪に問われない、即ち共犯からの離脱(共犯関係の解消)と認められるには何か。
それは共犯の因果関係が切断されていることが条件となります。
つまりただそこから抜けるだけでは不十分な場合があるということです。
ですがその場から抜けただけでも離脱(共犯関係の解消)が認められる場合もあるはあります。
例えば共謀段階では一緒にいるが実行行為の前に抜けた場合。
その時は抜けたやつ抜きで、残りの人たちで実行行為に及んでいるので
抜けたところで特に影響はなく、抜けたことを容認していると言えるでしょう。
ですが例えば首謀者となっている人ではどうでしょうか。
首謀者は共謀の段階の途中で抜け、その後残りの人たちで実行行為に及んだとしたら
それは残りの人たちに首謀者の意思が残り続けているから実行行為が発生したといえるでしょう。
つまり首謀者の影響力を完全に断ち切らないと離脱とは言えません。
つまり首謀者の場合は完全に実行行為と止める努力して、実際に止めて、離脱といえるでしょう。
ではでは実行行為の後ではどうでしょうか。
実際に集団で暴行を加えていて、途中で一人が抜け、残りの人で暴行が続けられたとしましょう。
そして被害者は暴行が原因で死亡したらどうでしょうか。
途中で抜けたとしても、暴行・傷害の罪は間違いありません。
でも傷害致死(死の結果)についても責任が発生するでしょうか。
これは傷害致死についても責任を負います。
ただ抜けただけでは、その行為を放任していることになるので、既遂の罪責を免れることはできないのです。
実行の着手後は、離脱の意思を表明するだけではなく、積極的に正犯の実行行為を阻止し、因果的影響力を消滅させれば
その後に新たな犯罪行為が行われたとしても罪責は負いません。
因果関係の切断というのは簡単にはできません。
一緒にやっている限り同罪だということですね。
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