刑法「責任」

法律

刑法は構成要件該当性 → 違法性阻却事由 → 責任 の順番で全てをクリアした場合に処罰が下されます。

違法性阻却自由は正当防衛や緊急避難がありました。

さて最後の責任についてですが、年齢やその事実をどこまで把握しているかということなどが論点となります。

 

かつて少年による凶悪犯罪があり少年法が注目を集めることとなりました。

実際に行った行為についての責任はどこまで追及されるのかということですが

「責任なければ刑罰なし」という近代刑法の基本原則があります。

責任がなければ何をしても罪にはなりません。

  

この責任主義とは

・行為者の行為について(個人責任)

・責任能力及び故意又は過失(主観責任)

を要件として行為者を非難できる場合にのみ、その行為者に責任を認める。

ということです。

責任主義は5つの大事な論点があります。

①両罰規定に関する無過失責任

②結果的加重犯の加重結果についての過失の要否

③「法律に特別の規定がある場合」(38条1項ただし書)の明文の要否

④責任又は故意の要件として違法性の意識・違法性の意識の可能性の要否

⑤原因において自由な行為

以上が主な問題となるところです。

 

色々あるのですが、まず聞きなれない両罰規定というものについて

両罰規定は行為者だけでなく、その事業主にも責任があるのではないかという問題です。

従業員を処罰するとともに、その事業主である法人や自然人も併せて処罰する規定のことです。

 

ここでその事業主である法人の処罰についてですが

かつて憲法でも法人の人権というのが問題となりました。

(判例では法人にも人権を認めるとなりました。

では刑法についてですが、これも法人の犯罪能力は肯定せざるを得ません。

(前提として肯定しなければ両罰規定が成り立たないからです)

 

では重要な判例ですが

最判昭和40.3.26 の両罰規定と法人の過失について。

ここでは事業主の責任が問われました。

さて判旨からなのですが、結果両罰規定につき事業主の過失を要求する明文がなくとも、

過失の存在を推定したと規定し、事業主にも刑責を免れ得ないとされました。

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