憲法「受益権」

法律

受益権とは国務請求権の中でも社会権以外のものをいいます。

社会権とは最低限度の人間的な生活の為に国家からの保障をうけられる権利です。

生活保護制度といったものがこれにあたります。

ではこうした生活保障以外での国務請求とは何かというと請願権・裁判を受ける権利・国家賠償請求権・刑事補償請求権となってきます。

 

まず請願権(16条)についてです。

請願権とは国務に対して希望を述べることのできる権利で、請願を受けた機関はこれを誠実に処理をする義務があります。

この誠実に処理する義務と聞くと、しっかり対応してくれる義務があるんだと思います。

 

しかしこれは受理をしっかりするということであって、審理・判定をすることは義務にありません。

つまりつき返してはいけないというだけの義務です。受け取って、請願者が帰った後に破棄しても、塩漬けにしても構わないということです。

この請願権は明治憲法でも保障されていました。

 

これでいいのかということなのですが、この請願は一個人が国や地方公共団体へ希望を述べることであり

現代では請願権の意義がかなり相対化されています。相対化とは弱体化ということです。

 

なぜならそれは国民主権に基づく参政権が平等にあるからです。

国民主権に基づく議会政治が発達しただけでなく、言論の自由も広く認められています。

自分が国に対して希望があるのならばそれは、その希望を叶えてくれる人を投票することで請願となるということですね。

この請願の手段として参政権的な役割を果たしています。

 

つまり選挙にいかないということは国や公共団体に対して何も希望するところなどなくされるがままでいいという意思表示です。

さらにろくに誰が何を公約にしているということを調べもせず、何も関心なく投票することも同様です。

いまメディアリテラシーが日本人には特に足りていなく、メディアの影響で全てが決まってしまいます。

それだけに自ら関心をもって調べ、投票することが自分の生活を確立することになると知るべきです。

この請願権は権利として、制度としてありますが、それをしっかり使わなければなりません。

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