国会の立法機関としての原則がいくつかありますが、いくつか例外があります。
それは国会以外でも立法することができる場合があるということです。
さてでは委任立法という、国会以外の機関に立法を委任することは、国会中心立法の原則に反するのではないか。
形式だけみたら明らかに反していますが
人のすることは複雑で柔軟なものだ、だから判断力を高めなさいという言葉があります。
(映画魔法遣いに大切なことの教官の人)
ではこの国会中心立法の原則の趣旨ですが
もちろん国民の人権保障を目的としています。
これは他の機関ではなく国会が担わなければなりません。
内閣や裁判所はそれぞれの組織によって人員構成されていますが、国会は主権者たる国民の代表機関であるからです。
ですが全てを国会に委ねても人権保障が行き届かない現実があります。
それは少数の人々や一部地域の人々など、全体的な規定では保障しきれない人たちが必ずいます。
そうした高度の専門知識が必要なって柔軟・機敏に対応できる他の行政機関に立法を委任することで、人権保障の確保が実現できます。
実際に73条6号ただし書はこの委任立法を予定します。
もっとも、なんでも委任立法をみとめるとそれこそ立法の濫用が起こりかねません。
一般的・包括的な白紙委任ではなく、目的と基準を定めた個別・具体的な委任によって委任立法がなりたちます。
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