みなさまこんにちはおつかれさまです。
学問の自由は憲法23条によって保障されているものです。
憲法23条「学問の自由」
学問の自由は、これを保障する。
シンプルでわかりやすい憲法の条文です。
しかし、学問の自由とはあまりにも大雑把で、どこからどこまでを保障するのかということは不明確です。
実際に小中高等学校といった学校は教育内容が学習指導要領によって事細かに決められていますし
小学校はテストが全て指定されています。
私は小学校の教員をしていましたが、やはり業務的にはかなり楽でした。ですが教授の自由といったものは確かに制限されているといえます。
これは日本全国どこの学校に転校することになっても学習についていき、抜けなく段階を踏んでいけるようにという目的があります。
ではこの学問の自由とは、その具体的な内容とはなにかですが。それは3つあります。
①学問研究の自由
②学問研究結果の発表の自由
③教授の自由
とされています。
つまりここでは初等中等高等教育など、教育の段階は限定されていません。
地裁の判例ですが
「教育は児童生徒の心身の発達に応じて適切な教育的配慮の下で行われる学問的実践であり、学問と本質的に不可分一体のものである。(杉本判決)」
として初等中等教育でも教育の自由が含まれるとされました。
因みに初等教育とは小学校中学校、中等教育とは高等学校、高等教育とは大学のことです。
高等教育では大学の自治としてしっかりとその自由は保障されています。
さて初等中等教育の自由についてですが、
教育の自由は含まれるといっても、実際は学習指導要領や検定教科書など、教える内容は規定されています。
旭川学テ事件の最高裁の判例では(昭和51年5.21)
普通教育においても一定の範囲における教授の自由が保障されることを認めたが、児童生徒の批判能力の欠如、子どもの側に学校や教師を選択する余地が乏しいこと、全国的な教育水準確保の必要性から完全な教授の自由を認めることはとうてい許されないとしました。
つまり地域や学校によって生徒の様態は多種多様で、その時に応じた適切な教授法を選択する自由がある。
しかしそれは指導法の自由のことであって学習内容をそれぞれ自由にしてはならないということです。
伝習館事件という社会科の教諭が学習指導要領を逸脱した指導を継続して行ったこと受けた処分の取り消しを求めた訴訟があります。
ここではっきりと学習指導要領の逸脱は重大な違反とされました。
つまり初等、中等教育においては生徒の学習統一が子どものために最適であり、そのために教員の一存で逸脱してはいけないということです。
どんなことにも自由が保障されていますが、それをやりすぎるのはわがままとなります。
どれも自分の頭の中だけでならば、つまり他人に迷惑をかけない範囲であるのならば良いのです。
つまりこれが公共の福祉というものですが
どんなものでも自由が保障されているからといって
自由の主張が許されるというわけではないということですね。
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