前回の虚偽表示に続いてですが
この虚偽表示の取引は原則無効です。ただし善意の第三者には対抗できません。
そして第三者については新たな独立の法律上の利害関係を有する物です。
さらにこの第三者の保護もどの程度というのは実はケースバイケースです。
どんな時にどこまで保護するのかということですがそれが本人の帰責性の大きさによります。
例えば本人の帰責性が大きければ大きいほど、その本人を保護する必要はありません。
つまり第三者の保護が強まります。
第三者の保護が強まるということは善意だけで無過失まで要求しないということがオーソドックスです。
ただ知らないだけで、ちょっと調べればわかるような場合でも構わないということです。
ちなみにこの第三者を保護するにあたって、登記も不要となります。
これは登記というのは二重譲渡の対抗要件として必要というものです。あくまでも対抗要件にすぎません。
ではこの場合対抗要件かどうかということです。
例えばA所有の土地をB所有と虚偽表示しており、Bは魔がさしてCとその土地を売買したという場合です。
この時にCとAのどちらが所有者になるかというのは対抗関係ではなく前主後主の関係にあるからです。
よって登記は不要です。
さらにここで帰責性というものも絡んできます。
まずそもそも虚偽表示をしている本人にも責任があります。
つまりAには帰責性があるので、より善意の第三者Cの保護を強めるべきである。
ということからも登記は不要です。
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