債権の消滅には弁済や相殺という手段がありましたが、特殊な場合ですが他にも債権の消滅となるものがあります。
更改(こうかい)というもので、これは弁済・相殺のように債権が消滅して当事者には何もなくなったということではなく、今の手持ちの債権が消滅という手筈をとおるというものです。
起こっていることとしては債務が消えたりしたのではなく、内容が変更になっています。
ですが契約上は旧債務が消滅して新債務を成立させる(債務の要素を変更することによって)ことです。
更改は513、514、515条にありますが三種類あります。
・債権者の交替による更改
・債務者の交替による更改
・目的の変更による更改
つまり当事者がかわるか、内容がかわるかです。
とくに債権者の交替による更改は、債権譲渡とほぼ同じです。
さて旧債務の消滅と新債務の成立というようにわざわざ新たな債務が成り立っているので、新たに一つの債務ができたことになります。
確かに新しい契約ではありますが、旧債務によってその新債務ができたという因果関係が存在しています。
このような契約を有因契約といいます。
では有因契約であるならば旧債務のことを何か引き継ぐのかというと、それはそうではありません。
関係があるというだけでその契約は新たな一つの契約です。
そのため、旧債務の担保である、担保権や保証債務、違約金債権等など従たる権利も消滅します。
そういったものは新たな契約のときにまた新たに契約しなければなりません。
更改はこの辺になりますが、他にもまだ債権の消滅となる手段があります。
・免除:債権を無償で消滅させる債権者の一方的意思表示。
ー貸してた人が、もういいよ。っていうことです。
・混同:同一債権について債権者としての地位と債務者としての地位が同一人に帰属する。
ー貸してた人と借りてた人が同じになる。例えば質だったり相続だったりなんかでこういうことが起こりそうです。
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