憲法「表現の自由と名誉毀損」

法律

みなさまこんにちはおつかれさまです。

憲法上保障されている表現の自由(21条)ですが

全ての表現の自由を保障しているわけではありません。

 

2009年12月4日京都市の朝鮮学校で強烈なヘイトスピーチが行われました。

もちろんヘイトスピーチや差別行為はこれだけでなく数えきれないくらいあります。

日本には深刻な差別はないと言っていますが、現実はそうではなく差別の温床といってもいいくらいです。

在日韓国朝鮮人の人たちは、かつて朝鮮半島は日本の領土とされたときに日本に住まわされた人たちです。

日本が敗戦しその領土は自国へと返還されましたが、その連れてこられた人たちは突然日本国籍を外され差別の対象とされました。

差別のきっかけはどれも決めつけによるものといっていいでしょう。

 

かつて在日コリアンへの強烈なヘイトスピーチに参加していた男性は傷害事件で逮捕されたことをきっかけに

団体から離れるようになったが、これをきっかけに今度は自分が差別の対象となったそうです。

その人のインタビューがYouTubeに残っています。

 

さて表現の自由によって保障されている自由はどこまでを保障されているでしょうか。

 

まず初めに名誉毀損についてですが、これは刑法230条で規定されています。

そして民法709条の不法行為についても表現の自由と衡量される利益です。

憲法は直接規定ではなく間接規定がほとんどですが、このようにしっかりと法整備がされています。

もちろんどこまでが表現の自由か、名誉毀損・不法行為か細かいところは個別判断になっていきます。

 

では名誉毀損と表現の自由はどこで調整するのでしょうか。

公共の福祉と一言で片付けるのではなく、判例からの規定があります。(サンケイ新聞事件)

1 事実の公共性

2 目的の公益性

3 真実性の証明

 

この3つ全てを満たせば不法行為は成立しません。

特に真実性の証明については重要です。

3の真実性の証明ということは、それが真実であるか否かということです。

つまり1、2を満たして尚且つそれが真実であるのであればそれは世間のために真実を公開したに過ぎません。

真実であれば不法行為が成立しないため罰せられません。

 

では逆にそれが真実という証明がなければ、つまり間違いであったことが判明すれば罰せられて良いでしょうか。

後々それが間違ったので罰するとなると、積極的な報道はできなくなります。

今はどう考えても真実だと誰もが思っていても、時が経ったり、科学的な検証によって異なる真実が明らかになることはいくらでもあり得ます。 

 

そのため

真実生の証明がなくても、真実と誤信したことについて確実な資料、根拠に照らして相当の理由があるときは、故意・過失なく不法行為となりません。

これを相当性の法理といいます。

 

刑事事件になるには構成要件の中にまず故意が必要となります。

誤信したことについて、確実な資料、根拠に照らし相当の理由があるときは犯罪の故意がなく名誉毀損の罪も成立しません。

 

そして名誉毀損的な表現については、いきなり司法の場に持ち込むべきでないとされています。

言論によりまずは対抗すべきであるということです。

確かになんでもいきなり刑事、民事で訴えていて、それが罰せられていては怖くて何も言えなくなります

それにその度に時間とお金と精神的な負担もかかります。

名誉毀損として訴えるのは例外的な場合です。

 

この言論による対抗で、それが功を奏し得る場合は名誉毀損的表現は原則違法にならないですし、これが1番いい形です。

 

もしこのような対抗ができない場合、対抗が意味をなさないような表現内容の場合には対抗言論によって名誉を回復できないので名誉毀損による違法行為が成立します。

 

どんなことも司法の場で、ということでもなく

どんなこともだめだというわけではない。

人と人との繋がりで解決をするのがまずは先決ということですね。

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