契約をした際に、そこ契約に問題が起こった場合は損害賠償などで責任をとらなくてはならなくなることがあります。
そのように責任をとるような事態といえば契約不適合になった場合です。
つまり担保責任とは契約不適合責任のことです。
この契約不適合責任とは有償契約(売買契約)で引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しないものであるときに生じます。
そして実際にこのような契約不適合があった場合、買主は売主に対して
①目的物の修補
②代替物の引き渡し
③不足分の引き渡し
によって履行の追完を請求することができます。
また他にも代金減額請求というのも可能ですし、415条以下の規定に従い、損害賠償を請求することも可能です。
このときの請求の内容は履行利益(契約に適合した履行がされたならば買主が受けたであろう利益)についての賠償となり、その範囲は416条の範囲となります。
そして最後にこれら契約不適合(債務不履行)を理由として売買契約の解除をすることができます。
ここで注意しなければならないのが、買主はこれらの救済方法をとるには期間制限があります。
買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、これらの救済方法をとることができません。(566条)
これは売買契約の早期に安定化させる趣旨があります。
確かに無期限でいつでもこのような措置が可能であるならば売主はいつでも、せっかく売れた物がなかったことになるのではという十字架を背負うことになります。
しかしのこの期間制限も、売主が引き渡しのときに契約不適合について悪意または重過失であったときは適用されません。
つまり壊れていることを知っていて売ったのであればいつまでのその責任はつきまとうということです。
さて法律は原則あるところに例外ありといいますが、これにも例外があります。
それは競売による品物です。
ほとんどは不動産になってきますが、この強制競売においての種類、品質に関する不適合は担保責任の範囲外となります。
それは競売にかかるということは債務を履行するためにこうした競売という措置がなされているので、取引の安全というものをとにかく守らなければなりません。
そこで競売によって売買されたものは、初めから不適合も織り込んでいると考えられており、購入したのならば責任持って完了しなければなりません。
軽々しく競売品に手を出すなとはこういうことです。
そして債権の譲受についても同様です。
債権は事由に譲受ができますが、例えばAさんへの1000万の債権を500万で譲り受けたとします。
そうなると1000万を500万で受け取れたのでかなり得なのですが、ここでAさんに1000万を請求できる権利を得られたのはいいのですが
実際にはAさんは無資力で到底債権の返済など無理な状態ということもあり得ます。
そうなったとき、500万ただ払っただけになってしまい、どうにかできないかと思ってしまうのですが
これがどうにもできないのです。
債権の売主は債務者の資力を担保しない。という原則があります。(569条)
さてこれも原則あるところに例外ありなのですが
実は特約により債権の売主に担保責任を貸すことができるのです。
それは特約で契約時ないし弁済期における債務者の資力を担保させることができます。
つまり無資力のAさんの債権を売った責任をとるということは、Aさんの代わりに債権を売った君が返済しろと特約をつけていたら言えるのです。
軽々しく契約書にサインをしてはいけないとはこういうことです。
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