債権はその性質を保ったまま譲渡可能で、対抗要件は承諾と通知でした。
そのため二重譲渡がされた時は通知がされた方に返せばいいということになります。
(通知をしていない譲受人には対抗要件がない。通知は債権者のみができる。)
ではもしもこの通知が同じ日にされた場合はどちらが備えるのかや、いつを基準にして通知が確定するのかが問題となってきます。
通知をするとなると債権者から、この債権は◯月◯日をもってAに譲渡しました。という内容の書面が発送されます。(一例)
こうした確定日付の付いた証書によってなされる通知は、内容証明郵便による通知や公正証書による承諾などがありますがそこには3つほど日付が表示されることになります。
①譲渡をした日 例「1月1日にAへ債権を譲渡しました。」
②書類作成日 例「1月2日」
③郵便局の書類受付日 例「1月3日」 (内容証明郵便の場合)
この3つのうちどれが確定日付として採用されるのかというと、③郵便局の書類受付日となります。
というのも①②の日付は書類にその日付を打ち込んだらいいので、いくらでも好きな日付を記入することが可能となります。
しかし③の郵便局の書類受付日は誤魔化しようがありません。
つまり書類が二通やってきた場合は、この確定日付の早い方の譲受人が優先されることになります。
ではこの日付すらも同じ場合はどうなるでしょうか。
こうなった場合はどちらに優劣ということはできず、どちらも対抗要件を具備していることになります。
両者が対抗要件を具備しているということは両者が両者共に、私が債権者だ。と言えるわけです。
これでは債務者はどちらに返せば良いのか。
こんなときは供託をすればと思うのですが、それもできないから困ります。
供託とは債権者がだれかわからない時に、供託というところにお金を預けて、債権者判明後に供託から債権者に返してくれるというものです。
この供託は、先後不明の場合に、債権者不確知を原因としてできるのですが、この場合は両者共に先後が確定している同時到達の場合であります。
最終的にこれは連帯債権であるということになります。
つまり一つの債権を複数人で持っているという状態ですので、どちらかに全額弁済すれば全て消滅します。
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