いつも感謝してますこんにちは。
今回は判例についての考え方です。
裁判でどのような判決が出されたのかということは非常に重要で
過去の判例をもとに論証されることもよくあります。
でも日本ではこの判例というのはもちろん大事ですけど
絶対的なものではないんですね
これは日本が大陸法圏の国で、制定法主義が採られているからです。
さてさて大陸法って制定法主義ってということなのですが。
大陸法とは英米を除くヨーロッパ大陸のことで主にフランスやドイツですね。
日本は明治時代にフランスから輸入した憲法でもって大日本帝国憲法を制定しました。
そのあとドイツの影響もうけて、第二次大戦を経て現在の憲法になりました。
この大陸法の対になるのが英米法といいます。
では制定法主義とはですが、
これは法律の条文が出発点となり何が法かを考えるものです。
つまり判例は法律があり、それを状況に応じて臨機応変に出されたものなんですね。
大事なのは法律の条文というのが制定法主義です。
逆に英米法は判例法主義が採られています。
これは判例の積み重ねで法ができているという、判例が先にあります。
制定法主義⇆判例法主義 ということですね。
では日本は制定法主義なのに判例はどうして学ぶ必要があるのか。
結局その場の状況が違うわけですので、それによって判例も変わります。
条文が大事なのですから条文を学べばいいじゃないかということなのですが
ここで判例を勉強するメリットですね。
まず条文は一般的・抽象的な形で規定されています。
実際読んでみたらわかるのですが、くどくどと難しい言葉がならんで非常にわかりにくいんですね。
いろんな場合に対応できるように書かれているので当然こうなります。
そこで判例を学ぶメリット①
条文をわかりやすくイメージするため
やはりどれだけ気をつけて条文を規定しても穴は必ずでてきます。
これを法の欠缺(けんけつ)というんですね。
こうした法の具体的な内容をするのに役立ちます。
他にもメリットはあります。(あと二つ)
過去の判例の中では複数の法が争点となることがあります。
教科書検定制度の合憲性が問題になった事案では
教育を受ける権利、学問の自由、表現の自由などの複数の事件が問題になりました。
普段は一つ一つの法制度を学んでいますが
実際の判例の事案では複数の知識を全体的・総合的に駆使して解決しなければなりません。
そこで判例を学ぶメリット②
複数の法制度の相互関係を理解するため
最後に
判例をみると色々な人々や状況を知ることになります。
もちろん普通に生活していたらとても触れることのできないようなことも多く
中には目を背けたくなるようなとんでもないこともたくさんあります。
こうした具体的な人間同士の紛争にふれることは貴重な社会勉強になります。
法律家という仕事は相手の立場になって相手の希望を叶えるために論証するわけですから
共感力や想像力はとても大切です。
こうした力を養うこともできます。
そこで判例を学ぶメリット③
思考のトレーニングとなり共感力・想像力を鍛えられる。
判例を学ぶのにあれもこれもというのは必要なく
特に判例付き六法は純粋に六法を引くとには逆に不便になります。
ですから憲法の重要な判例百選をテキストにするのがいいでしょう。
あとCD版もあるので電子書籍派の私にとっては非常にありがたいです。
よし!明日も頑張ります!
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