法律上の親族
親族という形
親族とは文字通り家族のことで、これは民法にとってきちんと規定されています。
自分と親・兄弟・配偶者・祖父祖母・従兄弟などなどそれぞれにしっかり定められており、血族・姻族・範囲がそれぞれ定められています。
やはり日本は家という考え方が強く、戸籍(誰の子であるか)もしっかりと義務付けられている国です。
実はこのように戸籍を定めている国は非常に珍しく、日本・中国・台湾くらいなのです。
韓国も戸籍があったのですが2005年に民法改正され2008年に施行され戸籍は廃止となっています。
これは文化の違いが今に反映されているのでどちらがいいとは言えませんが
諸外国は全て個人主義であるため、戸籍というのを重要視していないのです。
そしてそれ故に、皆さん生前に遺言を残すことになります。
日本では遺産は最低限家庭で分配するということが決まっていますし、遺言がない場合でも遺産の分配は定められています。
そのため遺言を残す人は少ないでしょう。
今後日本も戸籍がなくなってきて個人主義となってくるかもしれません。
さてこの親族という規定によってあらゆることが細かく決められているのですが
一つはこの相続ということがあります。
相続というのがあるので親族の範囲も細かく決められています。
そして他に氏(苗字)や婚姻についてなどです。
氏
親族。つまり男女が婚姻をし、子がいるとします。
(この子も嫡出子かどうかや、推定が及ぶかどうかがあります。)
この男女と子は親族の中でも親子の関係となるのですが、まずこの男女について。
民法改正により2022年4月1日より成人年齢は18歳に、婚姻適齢は男女共に18歳となりました。
つまり男女ともに18歳から婚姻できると同時に、未成年は婚姻できないということです。
では婚姻すれば氏は当然同じものとなりますが
(2022年現在では夫婦別姓の最高裁判決では合憲とされています)
これは男女どちらの氏にしてもかまいません。
問題は離婚後の男女やその子供で、子と親の氏が異なる場合についてです。
親子で氏が異なった場合の規定
婚姻後に氏を統一しますが、離婚したらなど色々な事情があります。
全体的にはこうだけど、じゃあこの時はこうなった時はと細かいときにもしっかり法律の力で答えを出さなければなりません。
さて離婚後、子は母の元で生活することになり、母は氏は旧姓に戻したとします。
そうなると親子ですが、氏が異なることになります。
もちろん気にせずその異なる氏のままでいく人もいますし、離婚しても旧姓にもどさずそのままいく人もいます。
実はこれはどちらの氏にすることが可能で、
まず妻は離婚したらば当然に前の氏に戻ります。(767条1項)
但し、離婚後3ヶ月以内に届け出ることによって、「離婚の際に称していた氏」を称することができます。(767条2項)
このように氏は、何もしなければこうなる。
変更するには「届出をすればOK」か「家庭裁判所の許可が必要」のいずれかとなります。
・死別した場合
この場合は氏を改めた生存配偶者(妻)は婚姻前の氏に復することもできます。(751条1項)
つまりしてもいいししなくてもいいということです。ここでは届出だけでよく、期限もありません。
・離婚した場合
前述した通り当然に前の氏になり、3ヶ月以内であれば届出によって離婚の際に称していた氏にすることができます。
この二つが氏が変わる場合ですが、これはあくまで妻の問題であり、子の戸籍には影響を及ぼしません。
つまり親が死別・離婚したりして氏が変わった親の元で暮らすこととなっても子の氏はそのままです。
ではこの子どもの氏と親の氏が違うという状況ですが、これを同じにするには家庭裁判所の許可が必要です。(791条1項)
死別や離婚は夫婦の問題であるので届出OK。
しかし、それは子供の戸籍には影響しない。子供は子供。
そんな子供の戸籍を変えるのだから家庭裁判所の許可がいるよということです。
ただしここで原則あるところに例外ありです。
父母の氏が別々になったのに家庭裁判所の許可ではなく、届出のみで子の氏を変更できる場合があります。
それは父母が婚姻中の場合に限り届出のみで変更ができるのです。(791条2項)
最後にですが、では子供は自分の意志でどちらかの氏を選択することはできないのかということです。
ここで791条3項に子が15歳未満であればその法定代理人(親権者)が子の氏の変更手続きを代行する。とあります。
つまりその反対解釈として15歳に達した子は自ら変更手続きを行うことが可能となります。
ここ最近のこと
そういえば仕事や私生活(主に仕事)で色々あり決意したこの司法試験ですが
やはりその仕事でがつんと落ちるところまで落ち、毎日講義を聞いてまとめた記事を書いて問題といてとしていたのが
だんだんとできない日が増え本当に週に1回できたら良い方という状態になっていました。
最近とあるきっかけ(前の記事とか参照)でまたできるようになってきたのですが
なんだか気圧のせいかなんとか重たい体を持ち上げながら3日くらいかかってやっとこの記事完成です。
試験は明後日です。
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